お酒は「百薬の長」か?[本当]

酒は百薬の長などといわれ、ある程度の飲酒は長寿の元と考えられてきました。一方でお酒を飲んで、酔っ払い、ろれつが回らないようになることもあり、アルコールが脳によいはずはないともいわれてきました。

では、どちらが正しいのでしょうか。高血圧の人はお酒を飲み過ぎると血圧があがって心臓にも負担がかかるので禁じられますがこちらでも紹介されていますが、わずかであれば推奨されています。リラックス効果が高く、体も温まりよく眠れるからだそうです。

また、お酒をよく飲む人、あるいは飲み屋などで働いている人が食道ガン、咽頭ガン、喉頭ガンになったという詰も耳にします。咽頭ガン、喉頭ガン、食道ガンなどの死亡率を調べると、飲酒しない人の10万人あたりの死亡率は15人弱です。週2、3回、ビールを1杯飲む人は20人前後の死亡率です。これが毎日4杯以上飲む人になると35人以上が死亡しており、死亡率は飲酒の量とともに増加しているのです。

TVなどで咽頭ガンなどの専門家が飲酒とガンの話をすると、まずず喉頭部に大きくガンが侵蝕している写真などを示します。次に手術によって喉頭を除去したために、声が出せなくなつた患者の姿が見せられます。このような放送を見聞きすると、飲酒などとんでもないと思われるのも当然でう。

では、特に病気を特定しないで死亡率を見るとどうでしょうか。1997年の米国での調査では、飲酒しない男性10万人あたりの死亡率は、1400人強です。週3 、4回ビール小瓶1本くらい飲む人の死亡率は1200人強になります。
1日1本くらい飲む人の死亡率は、1500人強になります。死亡率が、飲まない人と同じくらいになる飲酒の量は、1人小瓶6本以上の場合です。つまり、相当な量の飲酒の場合以外は、酒は百薬の長といえることがわかったのです。

喉頭ガンによる死亡率と全体の死亡率がなぜ違うかというと、飲酒に関係するガン以外の体の組織にとっては、飲酒、アルコールは健康を維持する側に働くからです。では、体のいろいろな組織にアルコールはどのような影響を与えるのでしょうか。

まず血管の拡張です。血管が拡張すると、動脈硬化の血管でも血液を組織に多く送ることができます。心筋梗塞は心臓に栄養を送る冠動脈が狭くなり、ここで血液が固まり、血流が阻害されて起こる病気ですから、血管を広げるアルコールは心筋梗塞を防ぐ作用があるのです。

米国で飲酒と心筋梗塞の発症率の関係が調べられました。40~75歳までの5万人以上の医療従事者、医師、薬剤師、検査技師などを12年間追跡調査したのです。週1 回以下の飲酒の人の危険率を1とすると、週1、2 回の場合には0.8くらい、週3、4回の人は0.6くらい、毎日飲んでいる人でもなんと0.6くらいの危険率でした。
ちなみに「飲んべえ」の血液の状態はどうなっているのかはこちらです。

もっとも驚くのは、糖尿病患者の飲酒と心筋梗塞による死亡率の関係です。飲酒しない人に比べ、週1~6 回飲んでいる人の心筋梗塞の危険率は、7 回、またはそれ以上、半分くらいになっています。さらに驚くことは、週つまり毎日1、2 回飲酒している人の心筋梗塞の危険率は、飲酒しない人の20%くらいになっているのです。面白いのは、以前飲酒していて、今は禁酒している人の心筋梗塞の危険率も10%くらい低下しているのです。こうしてみると、糖尿病の人は、心筋梗塞で亡くなる人が多いので、むやみに酒を禁ずるべきではないといえるでしょう。

アルコールの飲み過ぎに注意