よく毛が生える部分は体で重要な部分と言われますが、未だに「ハゲを治す薬ができたら、ノーベル賞もの」などとよく言われますが、本当にそうなら、そのノーベル賞が贈られるのは近いかもしれません。現在、すでに人間の皮膚が人工的に作られています。
これを可能にしたのが、最近よく聞くバイオテクノロジーです。
作り方はこうです。「まず、人間の皮膚の表面にある表皮細胞を少々とります。次に、その下にある繊維芽細胞を少々取り出します。これをシャーレに入れて培養します。さらに、これを牛から取り出たコラーゲンというタンパク質にくっつけます。表皮細胞が上で、織維芽細胞が下です。
素早くひっくりかえした後、これをさらに培養していけば、皮膚の出来上がりです。
こうして作られる人工皮膚は、すでに大きな火傷をした人などに移植されています。コラーゲンソはまだ人間のものが大量生産できないので、牛のものが使われていますが、これもまもなく解決されるでしょう。それと、現在の人工皮膚は、汗線や毛がないため、のっぺりしています。そこで、汗線や毛もある皮膚が研究中なのです。
完成すれは、当然ハゲの悩みも解決されます。「別に髪の毛なんてなくても結構」と、居直ってしまった人もいるかもしれないが、やはりあった方がいい。と言うのも、髪の毛には重要な役目があるのです。
小さなショックは防いでくれるし、もっと重要なのは、優れた断熱効果で、熱に弱い脳を守ってくれることです。アフリカの黒人の髪は、チリチリに縮れていますが、あれも断熱効果を高めるためです。ちなみに、黒人の髪を切らずに伸ばしたとしても、それほど長くはなりません。せいぜい25センチから40センチ程度です。白人なら55センチから65センチ位です。
日本人や中国人はもっと長くなり、80センチから90センチ以上になります。
さて、ハゲよりはやはり毛があった方がいいのは分かっていただけたと思います。日本の学校では、スポーツ選手は髪を切って坊主になることが多いのですが、これは医学的な観点からしたら、大変に愚かなことです。ケガもしやすく、炎天下で運動をするスポーツ選手こそ髪を伸ばすべきなのです。