お酒を飲み過ぎて、アルコール中毒までいってしまうと、肝臓の方もだいぶ危険な状況になります。肝硬変にまで悪化する場合もあります。するとどうなってしまうのでしょうか?
これは最悪のケースですが、機能しなくなった肝臓をすっぱりと切り取って、全く新しい他人の肝臓を移植しなくてはなりません。「そんな、他人さまの肝臓を丸ごといただかなくとも、健康な部分を一部いただければよさそう?」というのは、患者の願いですが、それができないのです。
飲み過ぎに注意したいアルコール類 | 危険な食品https://life-ddefense.com/d-food/archives/297
ところが、アメリカのジェイムス・ホワイティソグ博士は、この至難とされていた肝臓細胞の一部移植に成功しています。肝臓の細胞をコラーゲンというタンパク質でおおわれた胆体に付着させることで、それが成功したというのです。
ただし、これは、変異ラット、つまりネズミの体における成功なのです。変異ラットというネズミは、最近のがん研究やバイオテクノロジーにはなくてはならない生き物です。誕生は1964年。突然変異で生まれたものですが、皮膚に毛がありません。
変異ラットで重要なのは、毛がないことではなく、免疫機構に重要な役割を果たす胸線がないことなのです。。ふつう、生物には免疫反応というものがあります。体内に異物が侵入した場合、このシステムが異物を殺してくれる機能です。きわめて重要なシステムで、それがあるからこそ、バイ菌の侵入も防いでくれます。このシステムが働らかなくなるのが、後天性免疫不全、すなわちエイズです。
変異ラットの場合は、先天性免疫不全なのです。免疫システムほそれほど重要なシステムなのですが、ただ、臓器移植にとっては大敵となります。移植された他人の臓器も、本来の体にとってみれば異物ですから、拒否反応を起こしてしまいます。
ここに臓器移植の最大の難関があります。重要なのは、丸ごと移植しなければならなかったのを、一部でも移植できたことにあります。これが人間の体でも成功すれば、こんなことも可能になるということです。まず、健康なときの肝臓の一部を保存しておく。やがて、年を取り、酒で肝臓がボロボロになってしまったとする。そのとき、保存しておいた自分の肝臓の一部を移植すればいいかもしれません。
もともと自分の細胞であれば免疫システムもクリアーできます。
お酒の飲み過ぎには注意しなければいけないのです。