「病は気から」を全く無視できないのは、やっぱり人間の心が大丈夫と思えば大丈夫ということかもしれません。当然ですが、心と体は密接に関係していて、寒さも暑さも気のもちようでかなり違ってきます。
ある研究でも、それが実証されました。例えば、熱いストーブに当たっている状態をイメージすると、手足の温度を上げることもできるというものです。その理由は完全には明らかになってはいませんが、想像力を司どる部分が、体内のサーモスタットの役割を果たす視床下部の働きを変化させるからではないかというものです。
人間は寒いと体がブルプル震えたりしますが、これは、筋肉を動かすことによって、体温をあげている生理現象です。この働きをするのが視床下部です。視床下部の働きが鈍ると、低体温症という病気にかかることもあるほどです。
これほ、寒さに自分の体を合わせられなくなり、凍死してしまう病気です。アメリカでは、毎年、900人もこの低体温症で死亡しているのです。
ところで、気のもち方で、寒さ暑さの感覚が変わってくることほ、自分でもかんたんに確かめられます。目を閉じて、横になり、心の中で手足がポカポカ暖かくなってきたと、何度も念じてみるといい。実際に手足が暖まるのが分かるはずです。これは、自律神経失調症を治すときなどにしばしば使われる自己暗示のひとつです。自律神経訓練法はこちらです。