健康のためには、規則正しい生活が重要なことはもちろんだが、この規則正しいという意味を誤解している人がいる。というのも、ひとつの例ですが、仕事でガードマンという仕事柄どうしても夜働くので、朝の8時に寝て、夕方の4時には起きています。きちんと8時間の睡眠もとっていますし、むしろ、ふつうのサラリーマンよりも規則正しい暮しをしているのではないか?というものです。
これは、確かに、時間のうえでほ規則正しいかもしれませんが、人間の体にとっては、まったく規則違反の生活です。というのも、人間は昼間起きて生活し、夜は休むというつくりなのです。
人間が夜、安眠できるようになったのは、文明が発達してからで、それまで、夜はなにが襲ってくるかもわからない不気味な世界であったというのです。だから、夜は見えない敵におびえながら起きており、敵の動向がわかる昼間に安心して寝ていたというのです。
確かにこれは面白く、かつなかなか説得力のある意見です。しかし、人間には、食べ物を探すという大事な行動もあり、それにはやはり昼間働くほうが適していたのでしょう。それに、科学的にも人間の体は昼型にできていると証明されているため、この魅力ある意見はやはり正確さにほ欠けてしまいます。
人間の体内には、体のリズムをつかさどる、体内時計があることもよく知られています。しかし、その体内時計がどこにあるかということでは、これまでいくつかの説がありましたが、最近になって大脳の奥にある視交叉上核という細胞にあることを突き止めました。
ただし、体内時計のリズムは実際の時間とはいくぶん噛み合わないのです。つまり、人間の体のリズムが25時間周期であるのに対し、1日の時間は、24時間なのです。そこで、人間が昼に活発に活動するためには、体内のリズムを修正していかなければなりません。
そのとき必要なのが、朝の光なのです。これが最新の体内時計の説です。これで、朝9時に寝て、夕方4時に起きる暮しが体に良くない理由も分かるでしょう。体内のリズムはずれていくぼかりである。仕事柄とはいえ、何らかの対応策が必要です。