「へそのゴマは取ってはいけない」と子どもの頃によく言われたものです。当時は、「ああ、そういうものか」と深く考えもせずに納得していましたが、なぜ、取ってはあかいけないのでしょう。
へそのゴマの正体は垢にすぎません。その垢を放置しておけば細菌に感染し、炎症を起こす可能性も捨てきれません。やはり、手入れをするべきです。
へそのすぐ下には、腹膜があり、そのまたすぐ下には腸などの臓器が位置します。へそを傷つけると、腹膜炎などの重大な病気につながる可能性があるから、へそのゴマを取ってはいけないと言われたものですが、それは迷信です。
「へそは胎内で母親とつながっていた大切な場所」という意識が日本人には強いのでおはないでしょうか。「へその緒」を桐箱で大切に保管して残す風習が、この意識を如実に表わしているように思います。
大切な場所であれば、なおさら清潔にするべきです。へそのゴマは綿棒にオリーブ油をつけて、やさしく拭き取るといいでしょう。耳垢掃除を躊躇する方はいないと思います。ただ、医学的には耳垢は自然に排除されるうえ、雑菌の繁殖を抑え、皮膚を保護する働きがあるので頻繁な耳垢取りは不要と考えられます。
耳の垢取りは気持ちがいいものですが、掃除をし過ぎて鼓膜を傷つけたり、外耳道に傷をつけたりすることがないよう十分にに注意しないといけません。