扁平足だから「疲れやすい」とか「走って遅い」とかよく言われるのですが、あてにはなりません。ある学者の説によると、短距離ランナーや跳躍の選手などの足の裏は、扁平足に近いのだそうです。しかし、日本では昔から扁平足に対してほ偏見があったようで、その代表例が徴兵検査です。
その時代、国民皆兵がしかれ、男子は満20歳で、徴兵検査を受けました。陸軍の主力は歩兵だったので、足の検査が重要視されましたた。歩兵には行軍などがあり、とにかく足が丈夫であることが要求されたからです。
その検査の方法は、足の裏に水をつけて、乾いた板の上を歩かせて、土踏まずの有無を判定しました。そして、扁平足の者は、一番いい成績の甲種合格ほもらえなかったのだそうです。
土踏まずは、人間の足の特徴であり、一見して他の動物の足跡と区別できます。そもそも人間のように、カカトが発達した動物は少ないのです。哺乳動物の足の形と機能を考えると、3つに分類できます。
第一に、蹠行性と呼ばれるタイプ。カカトが残っています。歩き方はゆったりとして安定しているが、歩く速度は速くありません。
クマ、ヤマアラシ、ビーバー、サルなどで人間も含まれます。
第二は、しこうせいといわれるタイプ。カカトがなく、足の指だけで歩く。運動中に回転することも容易で、蹠行性のものより速く歩く。イヌ、ネコ、ネズミなど多くのほ乳類がこれに含まれる。
第三には、ていこうせいのタイプである。つま先で立って歩き、特に走る速度ほ非常に速い。ウマ、シカ、ウシ、ヤギなど。人間の場合、歩くときにいちいちカカトを上げることになるから、リズムがくずれやすく、歩行の能率も悪くなります。そこで、人間の足を形成している26個の骨は、歩く能率を高めるために、中足骨と足板骨の間に、アーチ状の構造をつくるように発達した人間の足に土踏まずがあるのはこのためです。
土踏まずのおかげで、バネがきいて足の運びがスムーズにできるのです。では、土踏まずのない扁平足はいかに。いくつかの骨をしっかりと結びつけてアーチを形成している筋肉が弱くて、アーチがくずれるためだといいいます。
しかし、扁平足の足の裏は、土踏まずのある足より接地面横が多いわけで、地面に接する面積が多いから、運動能力が優れているという考え方もあります。例えば、相撲の力士には扁平足が多数派です。しかも、名力士といわれた人にほ扁平足が多いのだ。また、一日中立っている理容師、美容師、船員などにも扇平足の割合が多い。昔、丁稚制度があったころ、小僧さんは座るひまもなく働いたので、扁平足が多かったそうだ。職業との関連も考えられるということです。扁平足は疲れやすいとは、あまりあてにしないぼうがよいかもしれません。
免疫力アップで疲れ知らずの体
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