健康ブームが起きているのは日本だけではありません。アメリカをはじめ、先進国ではどこも同じように「健康」が大きな関心事になっています。
そんななか、「健康食品の中の健康食品」として世界中で注目を集めているのが、我が日本の生んだ納豆です。納豆が一躍有名になったのは、1980年代になって「ナットウキナーゼ」という強力な血栓溶解酵素が発見されてからです。
このナットウキナーゼに肌を美しくしたり、脳を活性化する働きがあることがわかり、それまで「腐った豆なんて食べられませーん」といって納豆を敬遠していた西洋人も「ナットウはとつてもヘルシーでーす」といいながら嬉々として食べるようになったわけですが、最近、納豆が前立腺ガンや乳ガンの予防にも有効であることもわかりました。
が、ガン予防に効果があるといわれているのはナットウキナーゼではなく、抗酸化物質のイソフラボンです。イソフラボンは大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種で、最近は女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることでも注目を集めていますが、女性ホルモン過剰が引き金となる乳ガンの予防にイソフラボンが有効であることがわかっています。また、やはりホルモンに関係する前立腺ガンや子宮ガンに対してもイソフラボンは効果的に働くといわれています。
実際にどの程度の効果があるのかについては、まだ研究の途中ではっきりしたことはわかりませんが、いずれにせよ納豆がガンの予防につながることは間違いありません。
お茶、キノコ、納豆と、ここにきて日本の伝統的な飲み物や食品がガンの予防に有効であることがわかってきました。これは、日本の食文化を見直すいい機会かもしれません。