牡蠣は「海のミルク」と呼ばれるほど栄養が豊富で、鉄分、亜鉛、鋼といったミネラルを豊富に含んでいます。男性にって特に重要なのは、この中の亜鉛です。
亜鉛は前立腺に多く存在するもので、性ホルモンの合成を助け、精子をつくつたり、精子の運動を活発にします。逆にいうと、亜鉛が不足すると精子がつくられなくなってしまいます。
そこで、昔から「男性には牡蠣」といわれているわけです。しかし、女性には亜鉛は必要ないかというと、そうではありません。亜鉛は女性にも不可欠です。
最近、ムリなダイエットによって亜鉛欠乏症になる若い女性が増えているようですが、亜鉛が不足すると、塩味の識別ができなくなる「味覚障害」という状態になります。
味がわからないくらいならまだいいですが、本格的な亜鉛欠乏症になると、皮膚に病変が起こったり、頭髪や眉毛が抜けてしまいます。
また、慢性化すると、体重の増加不良、免疫機能の低下などの障害が起きます。
また、亜鉛は女性ホルモンにも関係があり、亜鉛が不足すると女性ホルモンの働きが低下し、月経周期の乱れが大きくなるともいわれています。
特に更年期にさしかかったときに亜鉛が不足するとホルモンバランスの乱れに拍車がかかるといわれています。更年期でなくても、卵子の発育や妊娠の継続に亜鉛は欠かせません。妊娠を望む人や妊娠中の人は、亜鉛が不足しないように気をつけてください。
また、亜鉛は神経細胞間の刺激伝達物質を合成する成分でもあり、亜鉛不足が続くと、脳神経の働きが鈍り、鬱状態になったり、記憶力が低下したり、キレやすくなったりするともいわれています。
亜鉛を含んでいる食材は牡蠣以外にもありますが、含有量は牡蠣がダントツです。牡蠣の場合、可食部70g当たりに9.24mgの亜鉛が含まれていますが、ホタテの場合、70g当たり1.89mgしか亜鉛は含まれていません。
和牛のもも肉や豚のレバーにも亜鉛は含まれていますが、もも肉の場合、90g当たり9.24mg、豚のレバーでは50g当たり3.45mgでしかなく、やはり含有量では牡蠣にかないません。
牡蠣は味も美味しく、世界的に愛されている食材です。女性も男性も、牡蠣で亜鉛をとるといいでしょう。