いびきといってもたくさんの種類がありピン~キリまである。寝息が少しひどくなった程度ならかわいいが、飛行機の爆音のごとき迷惑ないびきもあります。
いびきは、成人で5~6人に1 人の頻度で症状がでます。
また、疲れたときもいびきをかく、という人もいます。実際に疲労や身体的不調がある場合に、いつもはかかない人が高いびきで寝入っていることもあります。このような人も含めれば、約9割の人がいびきの経験者となります。
それでは習慣的ないびきほどうでしょうか。どんな原因があるのでしょうか。いびきとは、医学的に言うと、軟口蓋と後咽頭壁に起こる振動によって生じる呼吸音です。
睡眠中に何らかの理由で、鼻やロから気管に入っていく空気の通り道(気道)が狭くなり、空気の出入りの度に振動や摩擦が起こるためです。その何らかの理由というのは、鼻から口蓋にかけての弁状構造の弛緩、または気道をとりまく上気道の軟部組織や筋肉の弛緩などが関与しています。
もう少し、くだいて言えば、起きているときほ筋肉や神経は緊張していますが、眠ると筋肉がゆるんで、軟口蓋や後咽頭壁が息でブルプルふるえ、いびき音をかもし出します。
そういえば、キリッとした表情でいびきをかいている人はいません。一様にポカンと口をあけたりして、気がゆるみきった顔で寝ているものです。
お酒を飲んだときにいびきをかきやすいというのも、普段よりリラックスした状態で眠るからかもしれません。
問題になるのは、病気が原因のケースです。上気道の病気が、気道の異状に拍車をかけることになってしまいます。例えば、蓄膿症、鼻タケ、鼻炎などの鼻の病気。扁桃腺肥大、アデノイドなどの喉の病気。これらがあると、気道が狭くなってしまいます。
狭くなった気道を、空気が無理に通ろうとするから、異常音、つまりいびきが発生しやすくなります。そのはか、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの人も、大きないびきをかく傾向が強く治療が必要となるケースもあります。
そして、肥満も原因のひとつにあげられます。肥満するのは、何もお腹や手足だけではありません。首や喉のまわりにもたっぷりと脂肪がつくのです。従って、気道が狭められ、いびきが生じます。「火を吹くようにいびきをかく人は長命」などと古くから言われてきたのもわかります。