よくキャッチボールをしたときに、突き指をすると、その指をひっ引っ張った経験はないでしょうか?
この前は高校バレーかなんかをテレビで見ていたら、やはり同じチームの選手がこれをやってあげていました。しかし、この方法は非常に危険なのでやめた方がいいでしょう。「突き指″」というが、これは正式な呼び方ではなく、ねんざ、打撲、骨折、脱日、腱断裂などの総称になります。
骨折したときに、ひっばればいいかどうか、考えていいただきたいのです。逆に骨の位置をバラバラにして、治りにくくしてしまうケースの方が多いのです。たまたま引っ張って治る場合もある。脱臼したときです。引っ張ったはずみで、外れた骨がもと通りに収まったりすることもあるのです。
おそらく、この経験をした人が、突き指したなら指を引っ張ればいいと流行させたのでしょう。だが、脱臼の場合も、すべてうまく収まるわけではなく、悪化するケースの方が多いのです。
どうも運動部の習慣には、体にとってきわめて危険なものが多く、医者から見るとハラハラすることがしょっちゅうです。最近はずいぶん考え直されたようですが、運動中は水を飲んでほいけないなどは、その最たるものです。熱射病などを招きやすくするだけです。
また、昔ほどこの運動部もやっていたうさぎ跳びも、膝を痛めるだけで、筋肉の強化にはたいして役立たないというのが定説になってきています。
運動部特有の精神主義的な苛めを、奨励したりする先生もいるから困ったものです。
では、突き指をした場合は、どう処置するのがいちばんいいのでしょうか。まず、冷やすことが肝心です。それから、できるだけ早く病院でレントゲンを撮ってもらい、骨折していないかどうか確認しておくことです。病院へ行くまでのあいだそえ木をし、包帯で固定しておいてもよいでしょう。
たかが突き指といって油断しない方がいいでしょう。将来、5本の指が自由に動かせなかったら、不便なことほ山はどでてくるのは言うまでもありません。