がんマーカーでがんと診断できると思っている人は、相当数います。ANK免疫細胞療法でがん治療を行う方のほとんどはステージⅣの進行がんです。
進行がんなら当然がんマーカーが上昇しなければいけませんが、実際にがんマーカーが上昇しているのは、半数程度です。
肝転移、肺転移、腹膜播種、胸膜播種といって、全身にがんが飛び散っていてもがんマーカーが正常であるのは、決して珍しくありません。ということは、がんマーカーでは、がんの診断ができないということになります。
反対にがんマーカーの数値が上昇しても、がんが存在しないことも珍しくありません。PSA は、前立腺のがんマーカーとして、比較的早期診断に適しているといわれますが、炎症(前立腺炎)でも上昇します。
では、臨床の現場でがんマーカーをどのように利用しているかというと、マーカーが上昇しているがん患者の場合、治療がうまくいけば数値が下がるので、治療効果の判定材料となります。
それを画像で診断するとなるとCT、MRI、PETなどを利用することになりますが、がんの大きさが1センチくらいにならないと画像には、はっきりと表れません。
がんの大きさが1センチというと、そこには10億個のがん細胞が存在します。しかも血液中には、5億~10億個のがん細胞が循環していることになります。
ですから、がんマーカーが上昇している患者の場合には、治療効果を判定するために、がんマーカーは一定の利用価値があるということはできます。
では、がんの診断はどうすればいいのでしょうか。がんの大きさが2~3 ミリになると、血管新生(新しい血管が作られること)により、血液中にがん細胞が漏れることが知られています。この段階では、画像で捉えることができません。
そこで、採血して循環血液中のがん細胞を測定する方法が海外で行われています。がんの超早期診断では、この方法が一番正確だと考えられます。
以前に国立がん研究センターでも、循環血液中のRNAを測定することでがんの超早期診断を確立する研究に着手したとの報道がありました。
このように、21世紀のがん診断は、循環血液中のがん細胞を測定する方法に集約されるでしょう。
しかし、問題がひとつあります。画像で診断できないほどのミクロのがんが見つかったら、標準治療(保険診療)でどのような治療法があるというのでしょうか。がんの部位がわからなければ、手術はできないし、放射線も無理です。副作用が強く、がん幹細胞に無力な抗がん剤を投与するのも考えものでしょう。
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