PET (ペット)検査は、がんを検査する方法のひとつとして知られています。PETは「陽電子放射断層撮影」の頭文字を取ったもので、放射能を体内に取り込ませ、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化する装置です。
PET検査は、ミリ単位のがんを発見するという触れ込みで導入され、あっという間に全国に普及しました。しかし、あるとき国立がん研究センターの検査室長が「PET検査ではがんの見逃しがあるレと発表したため、国内の多くのPETセンターが閉鎖に追い込まれました。
かなりショッキングな出来事でしたが、考えてみれば当然のことだったのです。PET検査では、もともとすべてのがんを発見するのは困難だったのです。特に消化管のがんは苦手です。
PET検査はがんの治療効果の判定向け
有名な消化器専門クリニックには、PET検査を受けて「大腸がんの疑いあり」と診断された方が大勢、検査にやってきます。
しかし、大腸を内視鏡で検査してみると、いずれも正常でした。逆に、PETでは正常だったが、念のため胃の内視鏡をしてほしいという方もいます。
そこで、胃の内視鏡検査を行ったところ、手遅れの進行性の胃がんが見つかったこともあります。PET検査を過信しないことが重要です。
では、PET検査はどのように使うのが有効なのでしょうか が ん の スクリーニンググの場合は、PET、CT、MRIを併用します。消化管については、上部・下部内視鏡を行います。これなら完壁ながんのスクリーニングになります。その他、がんと診断され、治療をしたとき、その治療効果を判定するのにPETが役立ちます。