いま、都会では心を病む人が急増しています。都会ばかりではなく田舎にもそういった方が増えています。うつ病をテーマにする健康番組や雑誌もよく見かけます。そんな心を病む人を目当てにメンタルクリニックが増えています。
しかし、「心療内科クリニック」という看板には気をつけなければなりません。心を病んだ患者は「自分は完全な精神病ではないので、心療内科が適している」と判断します。そして「心療内科クリニック」を受診します。しかし、担当医は精神科の専門医でないことがあります。いま、内科医が新しく開業しても、患者はなかなか来てくれません。すでに持病のある人は、どこかのクリニックや病院に通っていますし、持病のない人が診察に来るのは風邪を引いたときくらいです。
また、セルフメディケーションといって、薬局で風邪薬を買って自分で治そうとするので、風邪の患者も減っています。結局、患者が集まらないので開業してもすぐに廃業に追い込まれます。そこで内科医は、仕方なく心療内科クリニックを開業するのです。これなら患者が集まります。しかし、心療内科は内科の一部であって、医者はうつ病に関する専門的な臨床経験を積んでいません。ですから、患者が来れば、気軽に抗うつ剤を処方します。
日本は世界一、抗うつ剤が売れる国
日本は世界で一番抗うつ剤が売れる国なのです。その理由は、心療内科医が気軽に処方しているからでしょう。
患者も医者のいいなりになって、気軽に抗うつ剤を飲みます。医者は抗うつ剤を処方するためは、患者をうつ病と診断しなければなりませんから、うつ病患者の数がどんどん増えることになります。
企業の産業医は、社員が休職すると、必ず診断書を提出することになっています。専門外の医師がその診断書を見ると、うつ病が非常に多いのです。その社員を面談してみると、精神科が専門ではない医師でも、おかしいと感じることがあります。
そういった場合、精神科の専門医にセカンドオピニオンを求めます。すると、別の診断名が出ることがあります。このようなときは、抗うつ剤を使う必要はないのですが、いきなりやめると自殺を図ることもあり危険です。
心理療法士のカウンセリングを受けながら徐々に減らしていきます。そうすれば、抗うつ剤からの離脱が可能になりますがそもそも簡単にうつ病と診断される状況に問題があります。