健康のためにスポーツをすることが奨励されています。例えば、長い期間テニスを行っている仲間たちを見渡すと、膝、肘、肩の痛みで悩んでいる人がどれくらいいるでしょうか?
彼らは、すでにリタイアしているので、毎日、テニスをしています。毎日、テニスをすれば、よほど健康になるだろうと思いますが、実際はそうではありません。テニスの試合会場で倒れ、救急車で搬送されて、心筋梗塞と診断され、その日のうちにICU(集中治療室)で亡くなる人もいます。これはテニスに限ったことではありません。他のスポーツでも同じです。
日本体育協会公認のスポーツドクターの友人がこんなことを言っていました。ゴルフ場で亡くなる人が毎年、相当数にのぼるということです。国内には約6000のゴルフ場がありますが、1年間にゴルフ場の数だけ死者が出るといわれます。報道されていないだけです。特に、夏場や冬場のゴルフは危険です。夏場は熱中症、冬場は心筋梗塞で亡くなります。
普通の運動では骨密度は上がらない
同じように、運動をすると骨密度が上がるという説があります。しかし、本当でしょうか?骨密度は、骨芽細胞と破骨細胞のバランスで維持されています。
そこで骨密度を上げるためには2つの方法があります。ひとつは、破骨細胞を破壊する方法です。骨粗鬆症の薬はこれにあたります。もうひとつは、骨芽細胞の生成を促進することです。しかし、それは運動などで得られるほど簡単なものではありません。
骨密度を上げる運動とは、激しい負荷がかかる、たとえばサッカーやラグビー等で、水泳や自転車のような重力負荷がかからない運動では上がりません。むしろ、骨密度が低いまま過度な運動をすると、かえって膝を痛めたり、腰を痛めたりするのが関の山です。運動をすると骨密度が上がるというのは、根拠がないと考えたほうがよさそうです。