サプリメント市場は、1兆5000億円といわれるほどの巨大なマーケットです。OTC(薬局で販売している医薬品)が7000億円程度ですから、その2倍以上の規模です。健康意識が高い人ほど、サプリメントを愛用します。
サプリメントを使う目的には、病気にならない体を作りたいということもあれば、病気になってしまったが、薬を飲みたくないのでサプリメントで治したいということもあるでしょう。
最近、トクホ(特定保健用食品) と呼ばれるサプリメントが増えています。商品のパッケージなどには、「血圧が気になる方へ」とか「中性脂肪が気になる方へ」とか書かれています。
トクホは臨床試験で効果が認められたサプリメントです。しかし、開発費用は、ごく限られています。新薬の開発には数百億円程度かかりますが、トクホの開発では通常1億~2億円程度です。その程度の開発費で臨床試験を行い、本当に効くことが証明できるのか、極めて疑問です。
さらにトクホではないサプリメントも、あたかも効果があるかのような巧みな宣伝で売り上げを伸ばしています。サプリメントは、効果・効能をうたってはいけないので業者は様々な工夫を凝らします。「個人の体験」と断りながら、効果を伝えたり、有名人を広告塔にしたり、イメージキャラクターを使ったりしています。
売らんかなという商魂だけで多額の宣伝費をかけて、売っているのです。消費者を馬鹿にしているとしか思えません。そんなに効果があるなら、国民医療費が毎年数兆円も増加するはずがありません。つまり、ほとんどのサプリメントは効果があるとはいえないのです。そもそもサプリメントは、補充するという意味の英語で「健康補助食品」ともいわれます。米国から入ってきた当初は、主にビタミン剤でした。それが現在では、多種多様なサプリメントが氾濫して、サプリメント市場は1兆5000億円に達しているのです。
2025年には、2兆5000億円になるという予測もあります。国民は、薬が大好きです。しかし、薬は副作用が恐いので、サプリメントに流れるのでしょう。
2015年度からサプリメントの機能性表示が解禁されます。米国では、2007年にFDA(食品医薬品局)が、サプリメントの機能性表示を認可してから、サプリメント市場が2倍以上になったそうです。
一方で機能性表示ができないサプリメントは市場から淘汰されました。日本でも、そうなることが予想されます。消費者は、いまからそういう事態を考慮してサプリメントを選ぶ必要があります。
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