年別アーカイブ: 2016年

アルカリ食品ばかり食べていれば体はアルカリ性になる?[嘘]

「健康のためにアルカリ食品をどんどん食べて、体をアルカリ性に保ちましょう!」とは、ここ数年来の食品、薬品メーカーが口を揃えます。酸性食品はすっかり悪者になってしまいました。

この考え方があっという間に多くの人に侵透したのは、酸性、アルカリ性という区別を誰でも知っていたからかもしれません。リトマス試験紙を使っての実験。これは、小学校でいちばん最初にした実験かもしれません。懐かしい思い出とあいまって、酸性、アルカリ性という言葉を覚えていない人はほとんどいないほずです。

加えて、酸性という言葉は、塩酸だとか硫酸をイメージさせ、血管をボロボロにするような気がしてくる。逆にアルカリ性は体にやさしい感じです。

こうしたことから、アルカリ食品、アルカリ飲料は、人気急上昇中です。

しかし、これらのアルカリ食品は本当に人間の血液をアルカリ性にしてくれるのでしょうか?

そもそも人間の血液は、腎臓の働きによって、弱アルカリ性に保たれています。これは、朝、酸性食品をたっぷり食べたから、血液も酸性になるというほどいい加減な仕組みではありません。

確かに血液が酸性に傾くことはあります。しかし、それは腎臓の働きが悪化したためであって、酸性食品を食べ過ぎたからではありません。

肉や卵は、酸性食品です。これらにはコレステロールが多く含まれ、多量の摂取はあまりおすすめできません。おそらく、このあたりのイメージともごっちゃになって、アルカリ食品ブームが起きたのでしょう。

基本は、いろんな栄養素を偏らずに幅広く摂取することである。あとは、人間の体がちゃんと健康体になるべく働いてくれる。昔のおばあちゃんがよくいった「なんでも好き嫌いなく食べなさいよ」という言葉に付け加えるものはないのです。

ちなみにアルカリ性食品の王様は、梅肉エキスです。

痛風は贅沢病?

「痛風は贅沢病だ!」

少し年配の人にはこう言う人がたくさんいます。

ところが、最近ではこの言葉は当たらなくなってきました。アメリカでも、痛風は裕福な階級よりも、手軽で高カロリーの食品を多く摂取する低所得者に増えています。

食べるものも満足に食べられなかった昔ならまだしも、今は、おいしいものを少し食べるのがぜいたくとされる時代です。過食の産物といえる痛風は、逆に口のいやしさの証明になってしまいました。痛風は、関節や腎臓に尿酸がたまり、関節に激痛をおこさせる病気です。痛風

尿酸がたまる原因には、遺伝性の体質とともにプリン体を含む食物の過剰摂取、それに肥満、飲みすぎ、ストレス、脱水、過激なスポーツなどがあるとされています。

プリン体を多く含む食べ物には、もつ類、イワシの油漬け、キャビア、肉類、豆類、ビール、日本酒などが代表的です。

もっとも、キャビアはともかく肉類や豆類は重要な栄養食です。痛風にいけないからといって完全に制限してしまったら、抵抗力が落ちてしまいます。痛風の治療は長びくことが多いものなので、せいぜい食べすぎに注意するくらいにしておいた方が賢明です。

それに、食べ物から摂取した尿酸が血液の尿酸値に占める割合は10%程度。極端な食事療法はたいして意味をなさないのです。

痛風で有名なのは、元西武ライオンズ監督の広岡達朗氏。選手には玄米食を強制しながら、自分は陰でたらふく肉を食っていたに違いないなどと、ずいぶん悪口も言われていました。だが、これまで説明したように、痛風イコール贅沢病は違います。やせ型の広岡氏は、食べものよりもむしろ体質やストレス、過激なスポーツなどが原因でしょう。

痛風は予備群を含めると600万人にもなる国民病です。

プールの後は目を洗わないほうがいいの?[本当]

日本のプールの多くは、字U型をした洗眼用の水道が備えつけられています。学校のプールの授業のあとは、この洗顔用の水道で目を洗った経験のある人がほとんどでしょう。

そもそもプールのあとの洗眼は、ウィルスや細菌の目への侵入を妨げ、プール熱の感染を防ぐために始まりました。現在もほとんどの学校では、プールのあとは生徒に洗眼をさせるように指導しています。

こうしたことから、水泳後の洗眼は、日本では常識として考えられてきました。

しかし、プール後に洗眼すると、か逆に目を傷つけてしまうことがわかってきました。実際に、プール後の洗眼は、日本以外では行われていません。

目の角膜を覆う涙は、外側から油層、水層、ムチン層の3層で構成されています。このうちムチン層は、ムチンと呼ばれる粘液でできていて、目に侵入したウィルスや細菌を絡め取って目やにとして排出し、目を保護する大事な役目を担っています。

ところが、水道水で目を洗うと、消毒薬として使われている塩素がムチン層を洗い流してしまうのです。すると、ウィルスや細菌が目に侵入しやすくなり、逆に結膜炎などの日の病気を招く恐れが高まります。

このことをはっきりさせるために健康な男女各5人(計10人)を対象に試験を行いました。この試験は、対象者に生理食塩水・水道水・塩素入り生理食塩水の3種類で目を洗ってもらい、それぞれが日に与える影響を調べたものです。

その結果、最も顕著に角膜の表面に傷がついたのが、塩素入り生理食塩水でした。また、水道水で目を洗っただけでも、ムチン層の減少することもわかりました。この試験結果から、プール後に水道水で目を洗うと、塩素によって角膜の表面についた傷が広がったり、ムチン層が減ったりして、逆に目を傷めてしまうと考えられます。

では、プールに入ったときに、ウィルスや細菌から目を守るにはどうすればいいのでしょうか。そのためには、水泳を行うときはゴーグル(水中メガネ)を着用することがおすすめです。ゴーグルを着用すれば、プールの水が目に入らないので、塩素による目への悪影響を防ぐことができます。

また、目の表面を守るには、プールのあとに目薬を差すことも有効です。目薬は、防腐剤の入っていないものを選びます。防腐剤フリーの目薬はこちら