「赤ちゃんはお母さんから免疫をうけついでいるので、生後しばらくは風邪をひかない」とは、よく言われます。
しかし、これほとんでもない間違いです。確かに、母親から免疫をうけついだものもあります。はしかや、ポリオ、おたふくかぜなどです。
しかし、ふつうの風邪などには、免疫などはありません。その証拠に、母親自身がかぜをひく。母親がかぜをひくのに赤ちゃんには免疫があるなどということはありえないのです。
では、なぜ赤ちゃんがかぜをひかないかというと、生まれたばかりの赤ちゃんは人ごみに連れていかれることも少なく、温度差も少ないような環境の中で保護されているからです。
だから、生まれたての赤ちゃんでも、人ごみに連れていったり、病原菌を持った人に近づいたりすれば、かぜもひくし、結核にも百日ぜきにもかかります。
また、ほしかやポリオ、おたふくかぜなども母親の免疫はせいぜい3~4ヶ月でなくなってしまうので、それ以後は感染してしまいます。
かといって、いつまでも大事にして安全な環境のもとにおいては、厳しい外の環境への適応力が遅れてしまいます。そのあたりは、お母さん自身の知恵と応用力が必要です。
かつては家に経験豊かなおばあちゃんがいて、そのあたりをうまく指図してくれたのだが、最近は若い母親から敬遠されがちです。
そのため、生後1ヶ月の赤ちゃんを抱いて、デパートで買い物をしたり、逆に1年以上も家の中で大事に育てたりといった極端な母親が増えているのです。